リンスキー師範P
本作の千早からは、過去に取上げさせて頂いた二作とは異なり、現実世界に生きているような印象を受け、同時に、4分34秒の作品の筈なのに一本の映画を凝縮させたかの様な錯覚を覚えました。
しかも、その凝縮させられた映画の雰囲気は、70年代。
私の記憶に有る70年代の映画は、場末感を漂わせる救いの無いイメージ。
個人的にそういったイメージは、好みではないですが、何故か惹かれました。
多分、そういったイメージとは異なるものを感じることが出来たからかもしれません。
それがどういったものか適切に表現することは出来ないのが、何ともやるせない。
それから作品から感じられた雰囲気と関連しますが、「女優:如月千早」を観ている様な印象も受けました。ステージの千早を観る千早と2分34秒から約二秒間映し出されるものが、その様に感じさせるのだと思います。ただ、同時に現実世界に生きる千早の様にも思えました。
この作品の千早は、銀幕の世界の中の千早なのか、それとも現実世界の中の千早なのか。
奥行きを感じさせてくれる作品だと思います。
2016年02月29日
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